キャラクターの設定が良くできていて感心します。
ただ、グロくて怖いホラーを期待していた人にはちょっと物足りないかもしれません。
「生者の行進」は多様性を秘めたホラー

残酷なシーンの連続、グロいシーンの連続に慣れてしまった人は読まない方がいいかもしれません。
ホラーは怖いもの見たさで手に取るもの、日常生活では味わえない世界にはまりたい人が好んで見るものです。
私から見れば、とても怖い内容ですが、「生者の行進」はグロい、怖い、残虐が直接視野に入ってくるシーンが多いとはいえません。
直接視野に訴えるものは強烈なインパクトを残しますが、「生者の行進」は、じわじわ心の奥底に沁みる感覚です。
どちらが本当に怖いのかと問われたら、皆さんはどう思いますか?
私は、視覚に直接飛び込んでくるものより、心の奥底に沁み込む方に軍配が上がると思います。
「生者の行進」はホラーと言う分野でひとくくりできない多様性を秘めています。
「生者の行進」のストーリーが面白い

絵は適度にグロテスクな場面もありますが、ストーリー性に富んでいて面白く読むことができます。
ホラー系には違いはないのですが、恋愛などの場面を登場させて、ホラー一辺倒ではないところが斬新です。
「生者の行進」はホラーと言う分野に新たな息吹を芽生えさせた作品ではないかと思います。
冒頭からかなりのインパクトがありました。
グロテスクな唇の悪霊がバイト先のコンビニに来た女子高生に取りついています。
主人公しかその悪霊は見えませんが、翌日彼女が死体となって発見されたのです。
そして次は、幼馴染に悪霊が取りついているのを主人公は発見します。
このままだと幼馴染は、女子高生と同じ運命を辿ることになる。
主人公は幼馴染を守るために懸命になって走り回るという内容です。
「生者の行進」はグロいホラー系の漫画とは一味違っています。
次々と犠牲者が出て恐怖をあおりたてるという内容ではなくて、ストーリー性を演出してキャラクターたちの存在価値を高める手法をとっています。
登場人物がいとおしくなり思わず応援したくなる気持ちにさせられます。
ただ単にグロくて怖いイメージを植え付けるだけではなく、ホラーという分野の垣根を越えた作品だと思います。
*本文中の画像は「生者の行進」とは無関係です。
コメントを残す