『今際の国のアリス』10巻の感想・ネタバレ記事です。あらすじを振り返りながら、キューマとの激戦が続く「すうとり」本編、ウサギの覚悟、特別編「スペードの7」の見どころまでわかりやすくまとめています。
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『今際の国のアリス』10巻は、キューマとの勝負が佳境を迎える本編に加え、特別編「スペードの7」も収録された、非常に読みごたえのある1冊です。極限の心理戦が続く「すうとり」では、アリスたちが追い詰められながらも勝機を探っていく姿が描かれ、特別編では新たな参加者による壮絶な生還劇が展開されます。この記事では、『今際の国のアリス』10巻のあらすじをネタバレありで振り返りながら、本編と特別編それぞれの見どころや感想を詳しく紹介していきます。
『今際の国のアリス』10巻のあらすじ
本編のあらすじ
げぇむ「すうとり」は、キューマ率いるチームの大胆すぎる作戦によって、大きく戦況が動きます。キューマチームは、仲間一人の命と引き換えにじんちへ攻め込む特攻作戦を決行し、一気に20,000点を獲得。じんちを守るタッタはとっさに一人へタッチするものの、侵入に成功した三人によってアリスチームは一気に不利な状況へ追い込まれてしまいます。
そのうえアリスは、キューマと向き合う中で精神面でも圧倒されていきます。キューマの存在によって大切な仲間と仲直りするきっかけを得たこともあり、思わず礼を言ってしまうほどでした。敵でありながら、人としての器の大きさや異様な魅力を感じさせるのがキューマという人物です。
その後も戦況はアリスたちにとって厳しいまま進みます。そこでアリスは「もし自分がキューマだったらどうするか」と考えます。そして、キューマの最大の強さは圧倒的な楽観主義にあると気づきます。恐怖を抱えたままでは勝てない。恐怖というブレーキを壊し、どこか壊れたように前へ出なければ活路はないと悟るのでした。
そんな中、ウサギもまた極限の役割を果たします。わずか50点しか持たず、相手に触れられただけで即脱落という絶望的な状況でありながら、あえて挑発によって相手チームの一人をじんちから引き剥がし、見事に戦闘不能へ追い込むことに成功します。アリスたちは、死と隣り合わせの中でようやく反撃の糸口をつかみ始めます。
特別編「スペードの7」のあらすじ
10巻には特別編として、新たなげぇむ「スペードの7」も収録されています。げぇむの内容は「かまゆで」。ルールは、会場である野球場が倒壊するまでに脱出できればクリアというシンプルなものですが、その内容は非常に過酷です。野球場に開いた穴から熱湯が噴き出し、参加者たちは次々と飲み込まれていきます。
このげぇむで生き延びるのが、女子高生の塀谷朱音です。気絶から目を覚ました彼女は、脇腹に鉄パイプのようなものが刺さった凄惨な状態にありながら、それを自力で引き抜き、さらに熱された管で傷口を焼いて止血するという壮絶な行動を見せます。その後も熱された通気ダクトを進み、高所から熱湯へ飛び込むなど、まさに命を削るような脱出劇が続きます。
塀谷は母親とのつらい過去も背負っていました。母は娘の前で不倫を繰り返し、塀谷はそんな母を恨み続けて生きてきました。極限状態の中で一度は心が折れそうになるものの、「クズの親に生まれた子だって、キラキラした未来を夢見て何が悪い」と自分を奮い立たせます。
その時、幻覚の中に母親が現れ、「ごめんね」と謝罪します。塀谷がその母を許した瞬間、目の前に光が差し、その先へ進んだことで、間一髪で会場からの脱出に成功するのでした。
『今際の国のアリス』10巻の感想
本編の感想
本編では、げぇむ「すうとり」が中盤に入り、キューマというキャラクターの異質な魅力が一気に際立ってきました。単純に強いだけではなく、恐怖すら楽しんでいるようなクレイジーさ、そして仲間の命すら賭けに使う異常な決断力が、アリスたちを大きく揺さぶっていきます。
キューマチームが20,000点を獲得した特攻作戦は、その象徴とも言える場面でした。普通なら思いついても実行できない作戦を、本気でやってのけるからこそキューマは恐ろしいです。同時に、その常識外れの発想がこのげぇむの流れを一気に変えた点も見事でした。
また、アリスがキューマに「ありがとう」と言ってしまう場面も印象的です。命を懸けた敵同士でありながら、相手の存在によって自分の内面が変化していく。この関係性が、単なる勝敗の話では終わらない「すうとり」の面白さを生み出していると感じました。
そしてアリスが「自分がキューマだったらどうするか」と考える流れは非常に熱いです。ただ頭を使うだけではなく、恐怖という感情そのものを乗り越えようとする姿勢が描かれており、精神的な意味でも大きな転換点になっていました。理屈だけでは勝てない相手に対して、自分たちも狂気の領域へ一歩踏み込む必要がある。この展開は『今際の国のアリス』らしいスリルに満ちています。
ウサギの活躍も見逃せません。たった50点しか持たず、触れられたら即脱落という絶望的な条件の中で、あえて相手を挑発し、じんちから引き剥がして戦闘不能に追い込む場面はかなり痺れました。追い詰められながらも前に出る強さがあり、ウサギというキャラクターの底力を感じさせます。
10巻の本編は、キューマの異常な魅力と、そこへ食らいつこうとするアリスたちの覚悟がぶつかり合う巻でした。勝敗の行方だけでなく、「恐怖をどう超えるか」というテーマが色濃く出ていて、とても引き込まれる内容だったと思います。
特別編「スペードの7」の感想
特別編「スペードの7」は、本編とは違った意味で非常に強烈でした。ルール自体は単純なのに、会場が崩壊し、熱湯が噴き出し、参加者が次々と脱落していく展開はあまりにも過酷で、読んでいてひたすら痛々しいです。スペードのげぇむらしく身体能力がものを言う一方で、サバイバルホラーのような恐怖感もありました。
塀谷朱音の描写もかなり壮絶です。脇腹の異物を自分で引き抜き、傷口を焼いて止血し、熱されたダクトを進み、さらに左脚に大怪我を負う流れは、見ているだけでつらくなるほどでした。特別編ながらも容赦がなく、強いインパクトを残します。
ただ、この話の良さは過酷な描写だけではありません。塀谷が抱える母親への憎しみや、自分の生まれへの怒りと諦めが、脱出劇の中で少しずつ変化していくところに大きな見どころがあります。「クズの親に生まれた子だって、未来を夢見て何が悪い」という叫びは非常に力強く、単なる根性論ではなく、自分の人生を取り戻そうとする意志として胸に残りました。
そして幻覚の中で母親が謝り、それを塀谷が受け入れた先に光が差す流れも印象的でした。一見すると偶然に見える展開ですが、極限状態で第三者の存在を感じる現象を思わせる描写として受け取ると、より深みがあります。最後に義足姿で夜空を見上げる塀谷の姿にも余韻があり、短編として非常に印象深いエピソードでした。
『今際の国のアリス』10巻の見どころ
『今際の国のアリス』10巻の見どころは、本編で描かれるキューマとの極限の心理戦と、特別編「スペードの7」における塀谷朱音の壮絶な生還劇を同時に味わえる点です。キューマの狂気と魅力、アリスとウサギの覚悟、塀谷の執念がそれぞれ強く描かれており、1冊の中に異なるタイプの緊張感とドラマが詰まっていました。
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10巻まで読んだ方へ
10巻は、キューマとの勝負が大きく動く本編に加え、特別編「スペードの7」も強烈な印象を残す1冊でした。続きの展開や配信状況が気になる方は、このまま関連記事もチェックしてみてください。
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